もちろん、家庭教師の収入ということだけでいえば、生徒数は多いに越したことはありません。指導可能時間をすべて埋めるつもりなら、複数コマの生徒を含めても20人ぐらいの生徒は受け持てます。最大で週に40時間は教えることができるのですから、その時間数をできるだけ埋めるようにしたほうが収入は多くなります。ただ、ここではとりあえず経済面での話は無視することにしましょう。それを無視した場合でも、家庭教師にとっての適正な生徒数は、あるように思うのです。
現在は5人ですが、去年教えた生徒は延べで22人でした。ただし、この中には時期のかぶっていない生徒もいますから、最も多い月で同時に教えたのは13人です。けっこう忙しかったのを覚えています。それでも過去には16人ぐらいの生徒を持っていた月もあったのですから、たしかにその気になれば20人ぐらいの生徒は持てるのかもしれません。
けれど、生徒数が多いと、指導の質が落ちます。これは間違いのない事実です。なにせスケジュールがギリギリですから、教師に余裕がありません。振替もしにくくなります。それ以上に重要なのは、教師の頭がうまく切り替えられなくなってくるのですね。
家庭教師の最大のメリットは、生徒一人ひとりに合わせた指導ができることです。それが十数人も受け持っていると、教師の側がだんだんと同じような指導に陥っていきます。同じ学年の生徒には同じ指導をするほうが楽ですから、ついつい無意識にも、生徒ひとりひとりのニーズよりも自分の考えを優先させてしまいがちになるのですね。
もちろん、生徒ひとりひとりの指導状況は、それぞれ別々のファイルに記録しておき、指導前には必ずチェックするようにしています。それでも、忙しさに負けてしまうことがあります。指導しながら次の生徒の準備を考えてしまうこともあります。量をこなすことには、やはりそれなりの無理がかかるのですね。やはり、15、6人以上も同時に生徒を持つのは考えものかもしれません。
その一方で、少なすぎるのも指導の質を落とすようです。これは意外に思えるかもしれませんが、家庭教師にとって生徒が少ないと、だんだんと指導の幅が狭くなっていきます。同じニーズに対して同じような指導方法をとることが続くからです。いろいろな生徒がいれば、それぞれの生徒に対していろいろな手法を試せます。そしてその中から、「あれ、この方法はむしろあっちの生徒に試してみたほうがいいんじゃない?」というひらめきが生まれます。あるいは、同じ方法を試したときの反応のちがいを比較してみることもできます。去年は高校受験生が同時に5人いましたから、それらの生徒に声をかけてミニサイズの模擬試験を開くこともできました。やはり、ある程度の数がまとまることには、実質的なメリットもあるのです。
やはり10人ぐらいの生徒でまわしていくのが適正なのかなあと思っています。ということで、チラシ撒き、そろそろやらなければいけませんね。このサイトから申し込みがあればいちばん楽なんですけれど。