最終的に全員が笑顔で春を迎えられるように、私ももうひと頑張りと思っています。
この地域は、私立高校を中心とする高校入試の前半戦が終了しました。試験日程が特殊な公立校2校を含めて私の生徒は5名が6校を受験しました。結果は1名を除き全員が合格です。私立1名、公立1名は第一志望に合格ということで、まずは役目が果たせました。2名はいわゆる「滑り止め」への合格ですから、歓びも中ぐらいです。そして第一志望に合格しなかった1名は、公立高校最後のチャンスにかけてこれから追い込みです。
最終的に全員が笑顔で春を迎えられるように、私ももうひと頑張りと思っています。
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受験シーズンです。中学受験はあらかた片付き、大学受験も序盤戦を終わっているとはいえ、家庭教師需要のもっとも大きい高校受験生はいまが真っ盛り。地域によって試験日はちがうのですが、このあたりでは私立高校は来週がピークになります。そして3月の公立高校へと、息つく隙もありません。この最後のスパートを昨年末あたりからがんばっている生徒たちには、心から声援を送りたいものです。
しかしその一方で、家庭教師にとって実は受験勉強は気楽なものなのです。確かにこのシーズンは日程的にはタイトになります。直前の勉強に出動を求められることが多くなるからです。たとえば今年は、毎日のように指導時間が入る生徒が2人います。レギュラーの指導時間とあわせれば、私の空き時間はほとんどなくなります。夕方から夜にかけての指導時間だけでなく、日中の時間も受験生対応でかなり潰れます。個別に集中トレーニング用の問題を用意する必要があるからです。また、体調管理にも気を使います。入試直前にいちばん怖いのはインフルエンザです。入試を欠席すればもちろん不合格ですし、体調不良のまま受験しても高得点は望めません。生徒にインフルエンザや風邪をうつさないためには、まず家庭教師がきっちりと体調を管理しなければなりません。毎日の過密スケジュールの中で健康を保つのは、なかなかたいへんです。 けれど、いったん指導に入ってしまえば、受験勉強は実に気楽です。基本的に生徒が問題を解くのを脇で見ていればそれで済むからです。がんばるのは生徒であって、家庭教師ではありません。これがこの時期、受験勉強の特徴です。 どういうことでしょうか? そもそも家庭教師とはそういうものだとお考えであれば、「そんな気楽なものじゃないよ」と私は反論したくなります。ふだんの家庭教師は、生徒に教科内容を正しく理解させるのが仕事です。ですから、理解が不足しているところがあれば、あの手この手で理解を高めます。問題演習はそのごく一部ですし、たとえ問題を解かせているときでも、常に次の一手を考えています。「この問題でこのあたりの理解が確認できたら、次のステップはこう進めよう。もしもこの問題で失敗したら、別の角度から同じ課題を考えさせてみよう」といった具合に、忙しく対策を考えます。そして生徒が問題を解き終わったらすぐに「じゃあ、これはどう?」と持ちかけます。ぼんやり休んでいる暇なんかありません。生徒に解かせる計算問題を流れ作業式にその場で何十題もつくるときもあれば、英語の発音練習では声がかれるほど聞かせます。1時間の授業が終わったらぐったり疲れるのがふつうです。 ところが、受験勉強では、そんな苦労はありません。なぜなら、入試対策に突入したその段階で、既に生徒と相談して作戦を立てているからです。作戦を立てるには、まず過去問題を1年分解かせます。そして、問題のタイプ別に分析をします。完璧に解けたタイプの問題は、もう練習の必要がありません。まったく手も足も出ないタイプの問題は、思い切って捨てます。いまさらなにをやっても手遅れだからです。そして、「うまくいけば解けるけれど、解けないときもある」「なんとなく解けそうだけれど、よくわからない」「小問の1番は解けるけれど、それ以後の小問がわからない」といったタイプの問題に特化します。そういう問題の類題を集中して解かせるのです。 中学校の進路指導はかなり的確ですから、見込みのない志望校は受験させません。だから、受験する学校が決まったら、その学校の過去問題で各教科10点ずつぐらいをめどに得点力をアップすればだいたいは通ります。10点アップさせるだけなので、解けない大問を1題ずつ解けるようにすれば、それでOKです。これはほとんどどんな生徒にも当てはまります。80点がとれるような生徒には、失った20点に相当する問題を反復します。50点しかとれないような生徒は大きな問題が6題出題されるとしたら3題ぐらいがあやふやなわけですが、その全部をターゲットにしません。1題だけにタイプを絞って集中トレーニングすれば、確実に10点以上は得点がアップします。20点しか取れないような生徒でも、1つのタイプだけがんばれば10点ぐらいのアップはどうにかなります。よっぽど無理な志望校を選んでいない限り、各教科10点アップで対応できるのです。 ですから、この時期の受験生は、同じタイプの問題ばかり、繰り返し繰り返し練習することになります。家庭教師の側は、類題を十分な数だけ用意しておけば、あとは生徒ががんばるのを脇で見ているだけで済みます。まちがえたらその部分を指摘し、わからなければ以前と同じ説明を繰り返すだけです。狭い分野、それも生徒があと少しでモノにできる分野だけに特化しているので、「あの手この手」は不要です。シンプルに、問題演習さえさせておけばいいのです。これを各教科について実行します。私立高校の場合3教科であることが多いので余計に楽になります。生徒によっては教科を絞って実行することもあります。「国語の弱点の漢字はいまからやっても間に合わないから、その分、数学をがんばろう」とかですね。それでも、やることは同じですから、悩む必要はありません。 そして思うのです。こういった「得点アップ」の「勉強」だけやらせていれば、家庭教師は気楽だよなあと。それで成績も上がるし、八方丸くおさまります。ただし、こういう「勉強」は本当の実力をつけてくれませんし、何よりも生徒への負担が大きくなります。最終的には生徒を潰してしまう方法です。 あくまで入試直前の短い期間だけ、目先の「10点アップ」のためだけの便宜的な方法です。それを意識しながら、生徒を応援していきたいと思います。 |
松本淳全国展開しているある個別指導塾に所属して家庭教師をしています。会社の許可を得て、2013年春から自宅周辺地域で自営の家庭教師をはじめています。 過去の記事
July 2018
カテゴリー山の上の日記
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