といいながら、家庭教師は夜遅くまで指導時間がはいることもあります。私は中学生に対しては原則10時までに指導を終えるよう心がけているのですが、それにしても決して早いとは言えない時間です。家庭教師業界では中学生であっても11時ぐらいまで指導するほうが「熱心な先生」ということになるようです。これは、「遅くまで勉強を頑張ってエラいね」という感覚と表裏一体のものなのでしょう。
けれど、成長期の子どもたちにとって、睡眠時間を確保することは何よりも重要です。冷静に考えれば、睡眠時間を削ることによって受けるダメージと、勉強を1時間余分にすることによるメリットを比較したときに圧倒的に後者のほうが小さいことがわかるはずです。勉強によって得点が10点上がっても、睡眠不足で20点失ったらなんにもなりません。
そして実際に、そのぐらいの損失があるわけです。これは、ひとつには(たとえ家庭教師で夜ふかしすることが週1回であってもそれによって夜ふかしが習慣化しますから)睡眠不足による脳の発達の阻害によるものです。それよりも大きいのは、寝不足で学校の授業に集中できなくなることでしょう。
家庭教師は、しょせん、指導時間数では学校にはるかに及びません。まずは学校の授業をきちんと聞くことが、成績向上の第一歩です。だとしたら、早寝早起きに勝るものなし。私はそう思っています。