高校入試に合格することは、まったく難しいことではありません。倍率を均してみれば落ちる生徒は1割程度でしょう。1割の生徒の中には、当日体調を崩してしまったり心理的に追い詰められて実力が発揮できなかった生徒が相当数いるはずです。つまり、体調に万全を期してリラックスして臨めば、不合格になる方が難しいぐらいです。
批判の多い偏差値による進路指導のおかげで、受験会場に集まるのはほとんどが同じような点数をとる能力をもった生徒です。そのなかで、ほんのわずかだけでも得点をアップできれば余裕で合格します。そして、わずかだけ点数を上げる指導は、驚くほどかんたんです。入試問題に出るパターンは決まっていますから、点数の取れていないパターンの問題を1つか2つだけ選び、それを集中して練習して取れるようにしておけば、それでいいのです。余分なことを考えずにそれだけやってれば、ごくあたりまえに合格は勝ち取れます。もちろん、稀にある倍率が異常に高い学校の場合は、そうではありませんが。
ということで、本番入試は非常に単純です。だからこそ、高校入試はそれ以前の段階、志望校決定までの段階が勝負です。学校の進路指導では、偏差値から不可能と判断された高校には願書の提出さえさせてもらえません。言い換えれば、志望校として認めてもらえさえすれば、上記のように単純な対策で合格できます。志望校として認めてもらうためにはそれまでの学力がしっかりついていなければならず、そのためには単純な練習問題反復とは次元の異なる学習をしなければなりません。家庭教師にとっては、そこがいちばん難しいところです。
スケジュールの都合その他で、昨年は、担当している中学3年生を何人か、他の家庭教師に譲りました。ピンチヒッターとしてごく短期間だけ担当した生徒もいます。合計7名のそれらの生徒のうち、特に気になるのは1年生から3年の夏まで2年あまりを担当した生徒です。彼女もまた、私立高校合格という嬉しい知らせをもたらしてくれました。志望校決定までの長丁場を知っているだけに、喜びもひとしおです。
この先、もう一山、公立高校の入試が控えています。このまま全勝といきたいものです。